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学生懸賞論文

平成26年度 学生懸賞論文主催:公益財団法人トラスト未来フォーラム(旧 トラスト60)
後援:三井住友信託銀行株式会社

「信頼ある社会の構築に向けた金融機関の果たすべき役割は何か?」

トラスト未来フォーラムでは、「企業が、社会のニーズや問題を本業に取り込むことで、社会の重要課題を解決し、同時に自社の業績を高めるべきとの考えが、近年、世界的に広がっているが、 その中で金融機関は、自らの企業活動を通じて、このような社会的使命をどのように果たしていくべきか。」をテーマとして第2回学生懸賞論文を募集いたしました。

表彰式 (2014.12.18)



第1等、第2等、佳作に入賞された4組、14名の方々に2014年12月18日、後援者である三井住友信託銀行の本店(東京)にお集まりいただきました。



表彰式では、挨拶に続き、トラスト未来フォーラム副理事長 野口より、表彰状・目録・記念品の贈呈を行いました。



その後、代表の方から、それぞれ執筆にあたって苦心された点や、今回の受賞にあたっての感想などをうかがいました。




左は一條先生を囲んだ、表彰式出席者の全員写真です。



入賞者ご紹介


 ● 第1等 「日本の投資拡大に向けて~若年社会人・学生への提案」
名古屋大学経済学部 代表; 永島 大介  共同執筆; 駒田 祥也、徳舛祐治、深谷 瑠璃

● 第2等 「公益信託による災害復興の新しいかたち」
中央大学法学部 代表; 細谷 昂平  共同執筆; 乾 正樹、大嶋 夏実、河野孝 洋、星 龍之介、堀江 麻華

● 佳 作  「銀行主体の高齢者の財産管理サポートシステムの構築」
学習院大学法学部政治学科  犬嶋 瑛
     

● 佳 作  「地域一体型の六次産業化~コンソーシアムを活用して~」
名古屋大学経済学部 代表; 角 拓哉  共同執筆; 鎌田 重頼、竹本 健太

(お名前の敬称略)

◇タイトルをクリックすると作品(PDF)がお読みいただけます。4作品をまとめて読むにはコチラから。

    

一條先生からのメッセージ

表彰式には論文審査委員長をおつとめいただいた 一橋大学大学院国際企業戦略研究科長、教授 一條和生先生から、これから学生が社会にはばたくにあたって、「夢を追い続けることの大切さ」について語っていただきました。

どんな人にも、こんなことをやりたいという夢をもつ瞬間があったはず。過去は変えることができないが未来は創ることができるのだ。 新しいものに挑戦することには無限の可能性があり、喜びと楽しみがある。 皆さんには是非それを目指してもらいたい。

●スティーブ・ジョブズの間違いだらけの人生

夢の実現のためにまず、10年後に自分がどうなっていたいのかというビジョンを持つこと。10年後の2024年といえば、オリンピックも終わって、世の中はどうなっているか誰にもわからない。 しかし未来は予測するものではなく、われわれが創り上げていくものなのだ。 人生はけして直線的、順風満帆に進むものではない。アップルの共同創設者だったスティーブ・ジョブズは思いがけない出来事が多かった人生をおくってきたと語っている、2005年スタンフォード大卒業式でのジョブズのスピーチを是非聴てみるといい。 ジョブズは大学はドロップアウトしたものの、カリグラフィは好きだからという理由だけでモグリで聴講を続けた。 それがマッキントッシュの美しいフォントを生み出し、やがてアップル社の成功につながるのだが、将来コンピュータ会社を設立しようと考えてカリグラフィーを学んだわけではない。 人生においては自分の好きなことをずっと追い続けるべきである。そうすると後で振り返ったときにいろいろなところで繋がってくることがあるのだ。 ジョブズは1度はアップルを追われるが、好きな仕事をしつづけたことで紆余曲折はあったもののアップルに戻ることが出来た。
ポイントは自分がやりたいことを見つけること。今回の論文執筆がきっかけで金融が面白いと思ってくれたら関係した者として大変嬉しい。 それは法律でも、私の専門の経営学でもいい。分野は何でもかまわないので、好きなことを見つけて、人生を歩んでいくことがだいじ。 自分の未来は自ら作っていくものだからだ。

●HONDAのチャレンジ精神

皆さんは、学生のうちは夢を追いかけられても、就職したらそれでおしまいと思ってはいないか。そんなことは決してない。
HONDAを例にとろう。HONDAは常に夢を追い続けながら変わり続けている企業である。 つまり、夢を追うことは個人でも企業でもできるとうことだ。 HONDAはバイクの会社としてスタートし、次に自動車メーカとなった。だがそこにとどまらず、ホンダジェット(翼の上にジェットエンジンを搭載したことで、燃費が飛躍的に向上した)を開発し、 また、ロボットのアシモにも真剣に取り組んでいて、実際に福島で活躍もしている。HONDAはmobility(バイク~自動車~飛行機~ロボット)を高齢社会にも対応するような形に変化させているのである。 ビジョンを見果てぬ夢に終わらせないための鍵は、いつまでに実現するか決めることである。vision = a dream with a deadlineなのだ。

ハイデガーに「小説家になりたいと思ったとき彼女の過去も現在もあった。」という言葉がある。つまり、小説家になりたいと思った時点で現在の行動が変化するだろう。未来こうなろうと思ったら現在も変わるのだ。 過去が変わるわけではないが、小説家になりたかったきっかけを思い出すことがあるだろう。ビジョンや夢には人間を変える力がある

    


●欧米の若者の考え方

私はスイスのIMDというビジネススクールを本拠地にしていたが、向こうの若者が長期的に展望を持って人生をおくっているのを目の当たりにしてきた。 欧米ではギャップ・イヤーといって高校卒業後、1年くらいかけて旅をしたり、アルバイトをしたりして、自分を見つめ直す期間をとってから大学に入学することは珍しいことではない。 皆さんも高校生の時点で大学の4年間で何を学ぶのか、目標が定まっていた人はごく少数だろう。人生はスプリント競技ではなくマラソンである。 マラソンは最初が早くてもだめで、42.195キロ到着地点で競うものだ。大学に入学することばかり考え、3年生になれば就職ばかり考え、エントリーシートのスキルを身につけ、4年生になれば面接に明け暮れる。 これは世界からみると完全にずれている。欧米では大学は専門教育の場ではなく、リベラル・アーツ(教養)を勉強する場と考えている。専門を学ぶためにはさらに大学院に進学する。 皆さんには是非グローバル人になって欲しい。現代はインターネットによって24時間、365日世界と繋がっている時代である。 たとえ日本にいたとしても世界の人と繋がっていかなければだめだ。それにはコモン・バリュー=世界の中で共通の経験をもつことが重要になる。 しかし、日本の若者にはそれが決定的に不足しているように思う。第2の経済大国でいられた間はそれでもよかったかもしれない。これからは世界と繋がっていないと経済的にも成り立っていかない。 日本でがんばっていればいいというのでは完全に終わっている。グローバル・ネットワークの世界に入っていかなければならない。良い大学にはいれた、良い会社にはいれたことに満足していては絶対にダメなのだ。 これから自分の世界をどんどん広げていかなければならない。世界の若者がどういう生き方をしているかを知ること。国内だけで考えてもしょうがないだろう。

大学院に行かなければだめといっているわけではない。いろんな生き方があることをいいたいのだ。世界に向けた視野を持って欲しいということは皆さんのグローバル・ミッションである。 日本は世界の中で高齢問題や原発において課題先進国と言われている。皆さんがここでリーダシップを発揮してこういった問題を解決し、世界に発信していってほしい。 そうやって仲間と繋がっていけば、日本もよくなっていくし、世界ももっとよくなっていくだろう。皆さんはどんどん変化を起こしていって欲しい。

●スターバックスは「第3の場」の提供をめざす

そうはいっても、自分はリーダシップの器ではないと思っていないだろうか。 それは自分にリーダーシップがあることに気づいていないか、リーダーシップの発揮を促されていないからではないか。 リーダシップとは他者に対するポジティブな影響力である。小さな事かもしれないが、先頭に立って変化を起こしたとき、その人はリーダーシップを発揮したのだ。そう考えるとどんな人にもリーダーシップはあるといえる。 また、しっかりした軸をもった行動をもたなければ他人はついてこない。自分がだいじにしている価値観や哲学があれば軸のぶれないひとになる。 リーダシップを発揮する一番の方法はdiscover myself、自分自身の発見。自分は何をすると楽しいのか。自分の未来に希望をもつこと。それが大きな変化をもたらすのだ。
スターバックスをつくったハワード・シュルツも大変貧乏な出自だった。父親が大事な仕事をしているにもかかわらず、時給労働者であり保険にも入れないのはアンフェアだと感じて育った。 バスケットの選手だったので、かろうじて奨学金で大学に行くことが出来た。選手としては大成しなかったが、苦労して卒業した。 あるとき、イタリアに行ってバールに惚れ込んだ。 そこでは友達が集まって楽しそうにわいわいカプチーノやらエスプレッソを飲んでいる。 みんながそこではひとつになっている、という思いからスターバックスが創められたといえる。 そのコンセプトは家、職場(大学)に続くthird place第3の場を設けること。客もスタッフも仲間であるという発想だ。 アメリカのスターバックスではアルバイトにも健康保険をつけストックオプションの権利も与えている。コストからしてもアメリカでは異例の待遇であるとされている。 それはシュルツの小さいときからの思いや価値観からきているものだ。

ここには、この3月に卒業をむかえるひともいるだろう。そこで自分は将来どうしたいのか、ぜひ自分のビジョンをつくってほしい。 そのために今回の受賞がひとつのきかけになればいいと思っている。 その時には、是非みんなと違うことをやる勇気を持ってほしい。イノベーションはみんなと同じ事をやっていてはだめ。 人には個性があるのだから生き方もいろいろだ。 正しいと思ったら自信をもってやる。「違った考え」こそが世の中に変化をもたらす。 世の中に大きな変革を起こす人は他とは発想が違っていた。それではthink differentというジョブスのメッセージビデオを見ながら話を終わりにしましょう。

一條先生の身振り手振りを加えてのお話しを、受賞者たちは熱心に聞き入っていました。
(当日のお話をまとめたものです。;文責=トラスト未来フォーラム)

本件に関する「お問い合わせ先」

公益財団法人未来フォーラム 懸賞論文係

〒100-0004 東京都千代田区大手町2-1-1
TEL:03-3286-8480  FAX:03-3277-1181
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